ひやおろし、はじまります

9月も半ばになり、次々に稲刈りが進んでいる丹波篠山です。

1週目に参加した「ミチのムコウ」プロジェクトの酒米の五百万石は、無事にすべて刈り取られ、あと1週間もすれば、収量の報告がこちらにも届く予定です。

お米、黒枝豆、松茸といった地域の名産の、収穫が少しずつ始まり出している中、私たち狩場一酒造では、この秋はじめて販売するお酒の準備をすすめています。

題名にもありますが、毎年多くのお客様からお問合せをいただいておりました、「ひやおろし」を9月20日頃から販売開始します。

今回は、簡単ではございますが、ひやおろしな説明と、秀月のひやおろしの特徴をまとめてみたいと思います。

いよいよ秋も深まりつつある丹波篠山

ひやおろしとは

初めにひやおろしについてご説明します。

 

日本酒は、冬から春先にかけて仕込みを行っております。

その時期に仕込んだお酒は、一度だけ火入れ(低温加熱殺菌)を行い、蔵の中で夏から秋にかけて貯蔵されます。

※年間を通して仕込みを行える蔵ももちろんあります!

 

ほとんどのお酒が貯蔵後の瓶詰めを行う際に、2回目の火入れ作業を行い出荷されていきますが、ひやおろしにおいては、2回目の火入れを行わずそのまま瓶詰めをされます。

そのため、ひやおろしは新酒の生酒のフレッシュな味わいと、火入れを2回行った落ち着いた香味のなめらかな味わいの、どちらの良いところを持った季節のお酒として、日本酒ファンに人気のお酒となっています。

適熟の味わいを楽しむひやおろし

「ひやおろし」の由来

「ひやおろし」の文字を見て何か気が付く方は、とても鋭い感をお持ち方です。

 

時代はさかのぼって江戸時代。

秋にお酒を出荷するのに、蔵の温度と外の気温が同じくらいになった時に、常温の状態(ひや)で出荷(卸す)していたお酒を「ひやおろし」として飲まれたのが起源とされています。

 

今のような冷蔵技術や、濾過の方法も確立されていない当時にとっては、秋になり気温が下がってきたタイミングで、火入れを行わずに出荷するひやおろしは季節の風物詩として愛でられていたのかな。。。と思いを馳せてしまいます。

秀月の「ひやおろし」の特徴

秀月のひやおろしの主な特徴は3つあります。

 

①精米歩合60%の「特別純米酒」をひやおろしに選びました。

秀月の特別純米酒は、スッキリとした旨味とほど良い酸味が特徴のお酒です。

このお酒を、一夏だけの熟成と一回だけの火入れで瓶詰めをすることで、生酒のような飲み易さもありながら、豊かな味わいの広がりもあるお酒に仕上がっております。

 

②お酒の味わいを左右する濾過は必要最低限でとどめる

今回のひやおろしを販売するにあたり、どのような味わいをお客様に届けたいかを考えた結果、ひやおろしならではのふくらみのある豊かな味のお酒にしたいとの結論になりました。

そのため、あえて精密な濾過などは行わず、実りの秋の様々な食材に合うひやおろしになっています。

 

③色んな温度帯で楽しめるひやおろし

ひやおろしなので、基本的にはひや(常温)で飲まれることをおすすめいたしますが、上燗から冷酒まで色んな温度に挑戦頂きたいお酒に仕上がっています。

最後に

日本酒は好きになればなるほど、その多様な味や飲み方で出会います。

特に季節によって変化していく、日本酒は他のお酒にはない特徴のように思います。

今年の秀月の初めての「ひやおろし」、どうぞチェックしてみてください。

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