知っておきたい「熨斗」の選び方

大切な人への贈り物。しっかりと気持ちを伝えるためにも失礼の無いようにマナーを守って送りたいですよね。

今回は、贈り物にされることが多い日本酒の熨斗(のし)のマナーや選び方を紹介します。

  • 1.熨斗紙とは

  • 2.熨斗の種類

  • 3.表書きとは

  • 4.無地熨斗とは

  • 5.「内熨斗」と「外熨斗」

1.熨斗紙とは

贈り物をする際に「熨斗」と「水引」の描かれた、「熨斗紙」と呼ばれる下のような用紙がかけられているのを見たことがあると思います。

熨斗の歴史は古く、神様へのお供えとしてあわびを薄くのばしたものを、贈り物に添えて渡していたことが始まりと言われております。

熨斗紙は、そうした習慣を簡略化した様式として、現在でも私たちの生活に残っております。

一般的に熨斗紙は、大きく「熨斗」「水引」「表書き」「名前」の4つの構成で成り立っております。

2.熨斗の種類

熨斗の種類は主に3種類あり、それぞれを時と状況に合わせて使い分けております。

①紅白の蝶結び

紅白の蝶結びは、結び目が何度でも結び直せる事から、何度繰り返してもよいお祝い事やお礼などに用います 。

【例】 御祝、御礼、内祝、粗品、奉献、御中元、御歳暮、御年賀など

②結び切り

結び切りは結び目が簡単にほどけない事から、一度きりであってほしいお祝い事に使います。

結婚では、お祝いを送る場合もお返しの内祝いの時も、どちらも結び切りを使用します。

【例】 御結婚御祝、寿、内祝(結婚・快気の場合)、快気祝など

③仏熨斗

お悔み事の際に使うもので、告別式前後の御霊前や御供として使います。また、法要の御供物や法事のお返し、引き出物などにも用います。

【例】御供、御霊前 、粗供養、志

3.表書きとは

熨斗を付ける際に特に気を付けたいところが、表書きになります。

日々のお客様との会話の中でも、悩まれる方が多く、表書き次第でせっかくの贈り物やプレゼントも台無しになってしまうこともあります。

■表書きには大きく5つの種類があります。

「季節の贈り物」「お祝い事(慶事)」「お悔み事(弔事)」「ご贈答品のお返し」「その他贈り物」

① 「季節の贈り物」

御年賀  ・・・元旦から1月15日頃まで

寒中見舞い  ・・・1月15日~2月4日頃まで

御中元  ・・・ 7月中旬~8月15日まで

暑中見舞い  ・・・ 土用の入り(7月20日頃)~立秋前(8月7日頃)まで

残暑見舞い  ・・・ 立秋(8月7日頃)~処暑(8月23日頃)

御歳暮  ・・・ 12月上旬~20日頃 まで

※地域よって時期は異なりますので、気になる方は別途お調べくださいね。

②「お祝い事(慶事)」

私たちの生活のなかには、出産・入学・昇進・新築・還暦などたくさんのお祝い事があります。お祝い事への贈り物をする際は、基本的は「御祝」でよいのですが、せっかく贈り物をされるので、具体的に書いた方が実感が湧いて喜ばれることが多いと思います。

【例】御祝、御礼、寿、寸志、御入学御祝、祝御卒業、祝御誕生日、祝銀婚式、古稀御祝、

   長寿御祝、祝御完成、御開店御祝、祈御発展、記念品、などなど

一方で、贈り物を頂いた際のお返しは「内祝」を表書きにし、名前を入れて送られるのがよいです。

この場合の「内祝」には自分自身に起きた祝い事やお慶び事を、相手の方にお裾分けするといった意味合いがあります。

③ お悔み事(弔事)

多くの場合は「御供」で贈られる方が多いですが、仏式・神式でそれぞれに異なる表書きを用いる場合があるので注意が必要です。共通で使うことが出来るのは、「御霊前」だけになります。

御供  ・・・仏式・神式ともに弔事の際に用いられる表書きです。因みに「ごくう」と読みます。

・仏式

御霊前   ・・・ 逝去から48日までの弔事の際 で、主に香典として送る際に用いられる表書きです。

御仏前  ・・・ 逝去から49日の忌明け以降の弔事の際 で、 主に香典として送る際に用いられる表書きです。

・神式

御神前、玉串料、御榊料  ・・・仏式の香典・供え物の場合と同じです。

当社では弔事の際の熨斗の表書き・名前を薄い墨の色で記載しています。

一説によると、関西では悲しみの涙で文字が薄れるとしてこのような習慣が残っています。

④「ご贈答のお返し」

前述のように、お祝いのお返しには「内祝」が多く用いられております。豆知識として、お返しのことを内祝と呼ぶこともあるようです。

お悔み事のお返しには「志」を使うことが多いです。本来は49日の返礼に使っておりましたが、最近では葬儀当日でも「志」が用いられています。

⑤その他贈り物

お世話になった方への贈り物や、御礼としてお渡ししたい場合も熨斗を付けられてよいと思います。ここはあまり形式的にならずに、「御礼」「御祝」「粗品」「御見舞」といったように、自分の思いを表書きにしましょう。

また、「お誕生日おめでとう」や「感謝」など簡単な言葉を表書きにするのもおすすめです。

4.無地熨斗とは

ちょっとしたお礼やお供え物をする際に、熨斗紙だけをつけて表書きと名前を記載せずに送る場合がございます。

特にお客様と実際に接する中で多いのですが、御中元や御歳暮と記載してしまうと、「相手の方にお返しを催促しているようになってしまう」と心配されて、無地の熨斗で贈られる方が多いです。

また、発送の場合は送り状に名前の記載があるため、表書きのみを記載し名前は記載しないようにされる方もいらっしゃいます。

5.「内熨斗」と「外熨斗」

私たちの日本酒は、熨斗だけでなく包装紙も使って梱包しております。

その際、熨斗の付け方が、包装用紙の内側と外側につける場合があり、それぞれ内熨斗・外熨斗と呼んでいます。

内熨斗と外熨斗でどちらを用いるかについての決まりはございません。

当社のオンラインショップでは基本的に内熨斗(製品→熨斗→包装紙)で対応をしております。 外熨斗を希望の方は、注文の際にその旨も備考欄に記載ください。

~ 最後に ~

長くなりましたが、熨斗について少し詳しくなりましたでしょうか??

日本では、季節や人生の節目で物を贈り合う素敵な習慣があります。

当オンラインショップでも備考欄に、ご希望の熨斗の内容を記載頂ければ対応が出来ますので、ぜひ色んな贈り物にお試しください❢❢