日本酒の種類について
~日本酒の分類について~
日本酒とひと口に言ってもその種類はさまざまです。日本酒は精米歩合と原料で分類される「特定名称酒」と、そのほかの「普通酒」に分類されます。特に「特定名称酒」は知っておいて損はありません。この「特定名称酒」に製法や原料によって分類が違います。分類は異なりますが、お酒の味や価値をランク付けするものではありませんので、お好みのものを見つけて楽しみましょう。
■特定名称酒
★精米歩合とは…?
玄米の表層部を削る精米工程で、元の米の重量に対する割合のことです。
(例)精米歩合が60%以上だとすれば、玄米の表層部を40%以上削ったことになります。
【純米大吟醸酒】
●精米歩合:50%以下
●原材料:米、米麹
●特徴:吟醸づくりならではの香味とお酒の色、透明度がとてもいい
【純米吟醸酒】
●精米歩合:60%以下
●原材料:米、米麹
●特徴:吟醸づくりならではの香味とお酒の色、透明度がいい
【特別純米酒】
●精米歩合:60%以下(または特別な製造方法)
●原材料:米、米麹
●特徴:香味とお酒の色、透明度がとてもいい
【純米酒】
●精米歩合:なし(※)
●原材料:米、米麹
●特徴:香味とお酒の色、透明度がとてもいい
(※)以前までは精米歩合70%以下という表示が必須でした。しかし、現在は米と米麹だけを原料にした日本酒であれば「純米酒」と表示できるようになりました。
【大吟醸酒】
●精米歩合:50%以下
●原材料:米、米麹+醸造アルコール(原料白米重量の10%以下)
●特徴:吟醸づくりならではの香味とお酒の色、透明度がとてもいい
【吟醸酒】
●精米歩合:60%以下
●原材料:米、米麹+醸造アルコール(原料白米重量の10%以下)
●特徴:吟醸づくりならではの香味とお酒の色、透明度がいい
【特別本醸造酒】
●精米歩合:60%以下(または特別な製造方法)
●原材料:米、米麹+醸造アルコール(原料白米重量の10%以下)
●特徴:香味とお酒の色、透明度がとてもいい
【本醸造酒】
●精米歩合:70%以下
●原材料:米、米麹+醸造アルコール(原料白米重量の10%以下)
●特徴:香味とお酒の色、透明度がいい
■普通酒
特定名称酒以外の日本酒を「普通酒」といいます。たとえば、精米歩合70%以上だったり、特定名称酒に使われるもの以外の原料を使用していたり、醸造アルコール量が10%を超えていたり…。このような日本酒が「普通酒」となります。
~名称の違いについて~
実は日本酒は製造方法の違いや出荷時の状態、季節などで名前が変わるのをご存知でしょうか?それぞれの名前について詳しくご紹介します。
■生酒(なまざけ)
製造工程で一度も火入れ(加熱処理)をしない、生まれたままの日本酒です。「純米生」「吟醸生」など、さまざまなタイプにわかれます。
■生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)
搾りたての日本酒をそのまま低温で貯蔵し、出荷時に一度だけ火入れをしたお酒のことです。生特有の風味を感じられます。
■生詰酒(なまづめしゅ)
火入れをして貯蔵し、ほどよく熟して品質が安定したお酒のことです。熟したお酒は火入れせずにびん詰にします。
■原酒(げんしゅ)
店頭によく並んでいる日本酒は通常、水を加えてアルコールを調整するものです。しかし、原酒の場合は水を加えません。そのため、アルコール度数は18~20度とかなり高くなります。
■荒走り(あらばしり)
もろみを搾ったときにでる、最初の搾りたての部分です。アルコール度数は比較的低めで、香りが高いのが特徴です。また、発酵した炭酸ガスの心地いい刺激もたまりません。
■中汲み(なかぐみ)または中取り(なかとり)
荒走りに続いて流れ出る部分です。お酒のにごりがなく、透明度が高いのが特徴です。味も香りもバランスが取れています。
■にごり酒
もろみを目の粗い布で濾した(こした)だけの白く濁っているお酒です。出荷のときに加熱と殺菌をしていないものは「活性清酒」とも呼ばれ、生きたままの酵母や酵素が楽しめます。
■長期貯蔵酒(ちょうきちょぞうしゅ)・古酒(こしゅ)
日本酒は約1年かけて熟成します。日本酒の中でも吟醸酒は長期貯蔵することで、まろやかな味わいになるのが特徴です。また、2~3年あるいは5年以上貯蔵された日本酒を古酒といいます。