健康や美容に良といわれる酒粕の気になる栄養素とその効能は?甘酒のレシピと保存方法も紹介

決して『かす』ではない!酒粕が秘めた栄養パワー効能について

『酒粕』は、日本酒のもとになる醪(もろみ)を搾った時に残る『かす』です。 ですが、『酒粕』はただの日本酒の副産物ではありません。健康・美容に効果があり『飲む点滴』といわれる甘酒のもとである酒粕にも、同様に豊富な栄養成分が含まれています。 ここでは、『栄養の宝庫』である『酒粕』に含まれる栄養素や効能と一緒に、昔ながらの食べ方や甘酒のレシピ、ご家庭で簡単に作れるおすすめのおかずを紹介していきます。 ご質問いただく機会の多い保存方法と賞味期限についても書いていますので、上手に保存して酒粕の新鮮な風味を楽しみましょう。

酒粕の種類

酒粕の写真

バラ粕

不揃いな大きさや形の酒粕です。
色々な日本酒の酒粕が混ざっています。

秀月の酒粕は自然の力に任せて搾っています。
硬くなるまで搾りきっていないので、日本酒の風味が残っており、溶けやすいのが特徴です。甘酒や粕汁を作るのに適しています。

板粕

綺麗に成形された酒粕です。
一枚が均一の薄さで長方形のため焼いて食べるのに適しています。
昔ながらの砂糖や醤油を塗る食べ方はもちろん、チーズのようにパンに乗せてトースターで焼くのもオススメです。

番外編:踏み込み粕

酒粕をじっくり発酵させたものです。
秀月の踏み込み粕は添加物無しで味がついています。
そのままお漬物やお肉、お魚の粕漬けにご使用いただけます。
余計なものが一切添加されていないので、日本酒・みりん・味噌などを用いてお好みの味に自由に調整できます。

『酒粕は健康に良い』と聞くけれど、具体的にはどう良いの?

『飲む点滴』といわれる甘酒。
その素である『酒粕』にも、『ビタミン』『ミネラル』を筆頭に豊富な栄養素が含まれています。健康・美容効果の他に保管方法と甘酒のご家庭でできるレシピを紹介していきます。
上手に保存して酒粕の新鮮な風味を楽しみましょう!

①コレステロール値を下げる

酒粕の原料であるお米に含まれる『レジスタントプロテイン(難消化性タンパク質)』とう物質には、食物繊維のように脂質をしっかりと捕まえて逃がさない特徴があります。また胃で吸収消化がされにくい性質を併せ持ち、脂質や食べた油を吸着して消化吸収を抑えたまま体外へと運んでくれます。その結果、コレステロール値が下がり、肥満抑制や内臓脂肪の低下に繋がります。

なら原料のお米を食べればいいんじゃないの?とう疑問がありますが、レジスタントプロテインは酒粕になる事で特に効果を発揮します。お米のままでは酒粕ほどの効果は得られません。
ちなみに酒粕の1日あたりの摂取量は50gが適量とされています。

②お通じが良くなる

酒粕には便秘改善の効果もあります。

腸内環境を整えるには、老廃物を吸着する食物繊維を多くとる事が効果的とされています。上記で紹介した体内の脂質を捕まえる働きをしてくれる『レジスタントプロテイン』は食物繊維と似た働きをして、腸内に溜まった老廃物を運ぶ役割をしてくれます。

また酒粕にはオリゴ糖も含まれており、こちらは大腸でビフィズス菌を増やして腸内環境を整えます。その結果、お通じが改善に繋がるんですね。

レジスタントプロテイン優秀すぎます。

③美容効果と免疫効果

発酵食品である酒粕には、酵母由来の『ビタミン』『アミノ酸』『ミネラル』を中心に『ペプチド』『セラミド』などの栄養素がたっぷり詰まっています。
ビタミンの中でも特に多く含まれている『ビタミンB群』は、疲労回復に必須となる栄養素。代謝を高めて皮膚などを再生する効果があり、ターンオーバーを促してくれます。
さらに『α-EG』がコラーゲンを増やしてくれたり、『フェルラ酸』がしみの原因であるメラニンを抑制してくれたりと、体の内側から美容の助けをしてくれます。さらにフェルラ酸には高血圧改善の効果もあり、最近注目されています。

近年では大手日本酒メーカーから化粧水やフェイスパックが発売されたり、酒粕パックを手作りする方も増えています。
杜氏の手がもちもちつやつやと美しいのにはちゃんと理由があったんですね。

賞味期限と保存方法

酒粕の写真

酒粕の賞味期限は加工から常温で3ヶ月~4ヶ月です。
※当蔵の酒粕の賞味期間※
日の当たらない10℃前後の涼しい所で保存し、約3か月を目安にお召し上がり下さい。
保存方法によってもっと長持ちします。

順番に保存方法をみていきましょう!

①基本の保存方法

●冬は常温保存もOK
未開封であれば、お家の暖房の入っていない場所での保存が可能です。常温は長期保存には向いていません。
夏場は日中の気温が高く酒粕の発酵がすすんで味が落ちてしまうので、必ず冷蔵庫に入れて保存しましょう。

●すぐに使い切るなら冷蔵庫での保存がおすすめ
酒粕は室内で常温で保存していると熟成発酵がすすみどんどん柔らかくなります。柔らかくなりすぎると色や味が変わってっきてしまい、美味しく食べれなくなってしまいます。
特に直射日光が当たる場所での保存は向いていません。
また空気に触れると乾燥したり、そこからカビが繁殖する可能性がありますので、ポリ袋やジッパーに入れて出来るだけ空気を抜いて冷蔵庫で保管してください。
袋が膨らんできたら空気を抜いてなるべく早く使い切りましょう。保存期間は半年が目安です。

●酒粕は冷凍保存が可能です
短期間で使いきれない場合は、冷凍庫での保存が1番長持ちします。空気に触れないようしっかりと保存しておけば1年間使えます。
酒粕は冷凍されて凍る事がありません。冷凍庫から出して手でちぎる事が可能ですが、あらかじめ使いやすいサイズにカットしてひとつずつラップで包み、ジップロックに入れておくと使いやすいです。
酒粕は夏バテ予防にも効果があるので、上手に保管して『冷やし甘酒』をお試しください。

●上手に保存していても風味は少しずつ落ちていきますので、なるべく早く使い切りましょう。

②ペースト状にして保存する

同程度の酒粕と水をボウルに入れて戻し(約1時間)、泡だて器やヘラでしっかりとペースト状にします。溶けにくい時は電子レンジで温めるとペーストにしやすいです。鍋に入れて火にかけ、ゆっくりとヘラで混ぜてペースト状にする方法もあります。
酒粕が完全に溶けて味噌ぐらいの硬さになるまで練り混ぜましょう。
粗熱が取れたらジップロックに入れてしっかりと空気を抜き、冷凍庫に入れます。使う時はスプーンなどで適量掬い取ってください。
保存期間は1年間ぐらいまでが美味しく食べれます。

参考記事:ニチレイほほえみごはん【酒粕の保存】冷蔵で半年、冷凍で1年!プロが教える保存法&使い方

③酒粕豆知識

保存の過程で表面に白い粉のような物が出て来る事がありますが、『チロシン』というアミノ酸の結晶で身体に害はありません。
また熟成が進むと表面がうっすらと赤く色が変わる場合があります。
チロシンが表面にでてきた、赤っぽいかも?となり始めたら、常温保存は止めて冷蔵庫に入れて保存するのがおすすめです。常温保存を続けると、より熟成が進んで水分がでてきて味が悪くなる恐れがあります。

酒粕を使ったレシピ

当蔵の酒粕はしっとりとした口あたりが特徴で、水に溶けのが早く様々な料理にご活用アレンジしていただけます。
これは、昔ながらの自然な重さのみで日本酒を搾る製法を用いて、
丸一日時間をかけてゆっくりゆっくり時間をかけてお酒を搾っているからです。
余分な力がかからないため日本酒には雑味が少なく、酒粕にはしっかりと風味が残っています。

甘酒


甘酒写真
甘酒 材料(2人分)
●秀月の酒粕………60g
●水…………………200cc
●砂糖………………大さじ
●塩ひとつまみ……お好みで

①鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にします。
②酒粕を一口大にちぎり入れて、酒粕を潰すようにしてかき混ぜて溶かします。
③酒粕が溶けたら強火にし、砂糖を入れて味を整えたら完成です。
※酒粕と砂糖をフードプロセッサーまたは少量の白湯で練り、コップ一杯分ずつラップに包んで冷凍保存し『甘酒ボール』を作っておくと、簡単に甘酒が飲めます。水150mlと甘酒ボールをコップに入れ、電子レンジで沸騰させます。スプーンなどでかき混ぜて完成です。
※量はお好みで調整してください。
※若干ですがアルコール分が残ることがあります。

酒粕グラタン

グラタン写真

酒粕グラタン 材料(4人分) 
●秀月の酒粕…30g~50g
●牛乳…………350ml~400ml
●白だしor味噌……小さじ2~3
●小麦粉………おおさじ2.5~3
●お好みの具材…ブロッコリー、タマネギ、ジャガイモや旬の素材など
●チーズ………お好みの量で
●パン粉………少々
●塩こしょう・バター………少量

①具材を少量の油で炒め塩コショウで味付けし、タマネギを入れ炒めます。
②火が通ったら弱火にし、小麦粉を入れ粉っぽさがなくなるまで炒めます。
③そこに牛乳を入れてダマがなくなるまで混ぜ、酒粕を入れ溶かします。
④バターを塗った耐熱容器に③を入れ、下茹でしたブロッコリー・パン粉・チーズ・を乗せる
⑤180度~200度に予熱したオーブンで15分から20分焼いて完成です。※焼き時間は様子を見ながら調節してください。
※若干ですがアルコール分が残ることがあります。

酒粕の天ぷら

天ぷら写真

酒粕の天ぷら 材料(2人分)
●秀月の酒粕(板粕)……2枚
●小麦粉またはてんぷら粉
●水
●大葉……お好みで
●のり……お好みで

こちらのレシピはお客様から教えていただきました。
チーズのような酒粕にお箸が止まりません♪

①酒粕(板粕か平たい形の物が好ましい)を一口大に切ります。
②大葉やのりをお好みで巻きます。
③水で溶いた小麦粉(てんぷら粉)にくぐらせて衣をつけます
④170℃の油であげてきつね色になったらとりだします。
⑤よく油をきったら完成です。
※若干ですがアルコール分が残ることがあります。

美味しく摂取して、健康になろう

当蔵の酒粕はこちらからネットで購入できます。
【販売開始時期:11月下旬~12月初旬】より販売開始予定になります。

ご来店のお客様へ
11月・12月中は、ご来店の前にお電話にて在庫のご確認をおすすめしております。
当日中のお受け取りに限り、お取り置きさせていただきます。

秀月のバラ粕(ご好評につき完売)

秀月の板粕(ご好評につき完売)

秀月の酒粕:純米大吟醸酒粕(ご好評につき完売)